尺八について2

About Shakuhachi-2/尺八基礎2

その1: 尺八には、色々な長さがあります。

尺八には約一寸刻みで長いものもあれば短いものもあります。全長が長くなれば全体の音律が低くなり、短くなれば全体の音律は高くなります。
父:石倉央山(いしくらおうざん)が作った尺八を一寸刻みで並べてみました。 長短様々な長さがあることがわかります。

その2:尺八は、長さで音律が変わります。

全部の指穴(指孔)を塞いだ音律を≪筒音(つつね)≫と言い、その管の略称として用いるケースもあります(下表参照)。
例えば前述の一尺八寸管は全閉音がD音に相当するので≪D管≫と言います。これより約一寸刻みで長くなるに連れ半音ずつ全体の音律が低くなって行き、約一寸刻みで短くなるに従って、全体の音律は半音ずつ高くなって行きます。

長さと呼び方 全閉音律
一尺一寸 A
一尺二寸 A♭
一尺三寸 G
一尺四寸 G♭
一尺五寸 F
一尺六寸 E
一尺七寸 E♭
一尺八寸 D
一尺九寸 D♭
二尺 C
二尺一寸 B
二尺二寸 B♭
二尺三寸 A

注1:半音の表記は♭で統一しました
注2:一寸=3cm強、一尺=10寸です
注3:実長は上記とは若干異なります


すべての長さの尺八における音程対照表(PDF版はこちら

shaku8fingering

その3:尺八は、指穴を1つ開けると1音半高い音が出ます。

全閉音≪筒音≫から指穴(指孔)1つを全開すると1音半高い音が出ます。例えば下表のように、一尺八寸(D管)の場合の全閉音はD音ですから、1つ目の穴を開けると1音半上のFの音になります(下表の通りの音律の開きになっています)。
さて、それではこの1音半の間に含まれる音D♯とEの音はいったいどのようにして出すのかと言いますと、これは指の開け加減で調整するのです。また尺八の特性として唇と唄口との距離を近づける(メリ・メル)と音程がやや下がる、逆に離す(カリ・カル)と上がる傾向にあることを利用し、運指とメリ・カリとを併用して音程の補正を行います。
多くの洋楽器ではあまり大きな問題に至らない半音(♭♯)の運指が尺八特有の難しさのひとつですが、これに対応するために9つ指穴(指孔)がある≪9孔(きゅうこう)尺八≫などもあります。

一尺八寸管=D管の音程表

音律 運指
D 全閉音
F 一孔を全開
G 一孔・二孔を全開
A 一孔・二孔・三孔を全開
C 三孔・四孔を全開、ただし一孔・二孔は閉

尺八の基礎 パート1はこちらから